活動レポート

■2013年1月25日:大田区異業種交流グループ連絡会 平成25年新年会「新春ビック対談」開催!

2013年1月21日、蒲田・弘城ホールにて、大田区異業種交流グループ連絡会主催の平成25年新年会「新春ビック対談」と懇親会が開催されました。
第一部の対談では、岡内完治氏(大田区異業種交流グループ連絡会会長、RAF代表幹事)とTES・奥山睦が登壇しました。 岡内会長は、多くの大学でゲスト講師の経験を、奥山は大学院で教鞭をとっている経験から、学生を町工場にどう呼び込むかをテーマにパネルディスカッションが行われました。
続く第二部の懇親会では、各グループの活動報告、メンバー紹介が行われました。バイキング方式の中華料理に舌鼓をうち、情報交換に花が咲いたひとときでした。 今回、幹事の労をとっていただいたOKK-1の皆様に、心から感謝を申し上げます。

日 時:平成25年1月21日(月)18時~20時30分
会 場:「弘城ホール」JR蒲田駅西口 弘城ビル4階
総合司会:白鳥 裕明(OKK-1)
進 行:大門 博(OKK-1)

●「新春ビック対談」 18時~18時30分
テーマ:「中小企業というものを学生に知らしめるためには…大田区の町工場にも若者の息吹を」現代学生気質を知り、大田区町工場に新卒学生を呼び込もう!
講師(パネラー)
・岡内 完治会長(大田区異業種交流グループ連絡会会長、RAF代表幹事)
・奥山 睦(TES、静岡大学大学院工学研究科客員教授)

●懇親会 18時30分~20時30分
開会挨拶:OKK-1代表幹事 吉田 利樹氏
会長挨拶:岡内会長
財団挨拶:(公財)大田区産業振興協会専務理事 山田伸顕氏
乾  杯:(公財)大田区産業振興協会 広報チームリーダー 奥田 耕士氏
各グループ報告
中締め:Jont-92代表幹事 小澤 剛典氏

司会 大門 博氏(OKK-1)
「新春ビック対談」講師:岡内 完治会長、奥山 睦

【「新春ビッグ対談」内容 】
Q.教室から見受けられる若者に対するイメージは?
岡内:さまざまな大学でゲスト講師として教壇に立ち、学生たちから数多くのアンケートで生の声を聞いている。
多くの学生はまじめで、やさしい、堅実だ。ただし、積極性に欠けるのではないかという印象がある。
奥山:学生たちは阪神大震災、東日本大地震を経験して、今までの価値観が根底から崩れることを身をもって知っている。それゆえ社会貢献意識は高い。
デジタル・ネイティブ世代なので、Facebook、Twitterなどは馴れていて、さまざまな人とつながることに重きを置いている。

Q.若者たちの就職に関するイメージは?
岡内:非常に不安を持っているのではないか。
はっきりとした目的を持つことを学校の指導で強いられているので、与えられた仕事、機会に対して最初の目的と違うとやめてしまう若者が多いように思う。
最初のイメージと違っても、なんとかなる、挑戦してみようという気持ちが持てないのではないか。
学部で勉強した専門分野とは違う職種であっても、与えられた環境を受入れ、その分野で、自分なりに挑戦し、頑張ってみようという気構えなどが大事なのではないかと思い、自分の体験から学生たちにもそれを伝えている。
奥山:現状、大学生の就職率は63%にとどまり、就活失敗による自殺も年140人にのぼっている。
エントリーシートを100社送るのが普通の時代。しかし、エントリーシートの書き方や面接対策は重視されるが、本来の「キャリア教育」までは至っていない大学がほとんどだ。だから大学生は、自分の興味、関心、趣味、嗜好からくるキャリアの根底にあるものが何であるか、わからないのではないか。

Q.大田区を含む各地の町工場に対する興味、関心度は?
岡内:中小企業への関心はあるようだが、具体的な中小企業の経営状態などを知るすべが少ない。サイトにも経営指針などの情報を公開していない中小企業が多い。
奥山:正直なところ、いわゆる有名大学ほど町工場への興味、関心は低い。
ただし、例えば「ほこ×たて」というテレビ番組で、「金属対ドリル」対決を放映して、最強金属を作っている「日本タングステン」(福岡市)という会社は、昨年新卒応募が1.5倍に増えたという。
若者は、町工場に「関心がない」のではなく、「知らない」だけなのかもしれない。
例えば今、大田区では「下町ボブスレー」がさまざまなメディアに取り上げられ、注目されている。これも大田区の技術力を国内外にアピールでき、若者にものづくりの魅力を伝えることのできる格好のチャンスと捉えてもいいのではないか。
また、静岡大学の留学生は全学生の1割、東工大では2割。アジア圏からの留学生が多い。しかし、それらの学生は、日本で学んでも日本で就活しない、あるいは就活しても日本での採用には至らない。なぜなら企業側は、現地で採用するほうが、人件費が安く済むからだ。優秀な留学生は実は日本に多くいる。
中小企業にとって、人材のグルーバル化も忘れてはならない課題のひとつだろう。
加えて、製造業がIT化、RT化の進展により「重厚長大」から変わりつつある。エストロラボ(東大阪市)という会社は、社長を含め全従業員5名で、32歳~46歳までの女性だけで構成されている。創業からわずか5年で、取引先を500社にまで伸ばした町工場だ。町工場もこのように多様な人材を受け入れていく素地を今後益々求められていくのではないか。
岡内:外国人の留学生の場合、いくら優秀でも定着率が悪く、企業に貢献する前に本国に帰国してしまうケースもある。
当社もそういう苦い経験がある。外国人の採用は難しいと感じる部分も多い。

Q.大田区の町工場に大学、高校等の新卒者を呼び込む、迎えるためには、企業側はどんな意識を持つ必要があるか?

岡内:中小企業の経営者がきちんと情報発信をして、中小企業の魅力を自ら伝えていく努力が必要である。
奥山:国際競争の中で企業は規模の大小問わず生き残っていかなければならない。そのためには、中小企業の経営者が生き残っていく覚悟をしっかりと若者たちに伝える必要がある。

TES近況報告
懇親会
 
 
                TESメンバー一同